【トヨタホーム】住宅ローン減税を我が家の条件で引き直したら425万円でした【後編】

前編の続きです。

計算ツールに借入5,500万円を入れたら、13年で455万円と出ました。そして前編では、その455万円が「上限に張り付き続けた場合の最大値」であることまで書きました。

今回は、その最大値をひとつずつ削っていく回です。理由が3つあります。順番に潰していきます。

……あらかじめ言っておきますが、楽しい回ではありません。

理由1:年末残高は毎年減っていく

さっきの計算ツール、入力欄は「年末残高」1つだけでしたよね。

つまりあの455万円は、13年間ずっと残高が5,500万円のままという前提で出た数字です。

でもローンは返します。 残高は毎年減ります。減れば0.7%を掛けるもとの数字も減ります。

というわけで、我が家の実際の条件で13年ぶん引き直しました。

我が家のローン:借入5,500万円/変動金利1.575%返済期間40年

以下は「40年間ずっと1.575%のまま」「元利均等返済」「返済開始からちょうど12ヶ月ごとを年末とみなす」という前提で私たちが計算したものです。変動金利なので、この前提は必ず崩れます。 目安として見てください。

この条件だと月々の返済は15万4,515円、40年で払う利息は約1,917万円になります。(先に胃が痛くなる数字を出してすみません)

で、控除額はこうなりました。

年末残高その年の控除額
1年目5,400万円350,000円
2年目5,299万円350,000円
3年目5,197万円350,000円
4年目5,092万円350,000円
5年目4,986万円349,000円
6年目4,879万円341,500円
7年目4,769万円333,800円
8年目4,658万円326,000円
9年目4,545万円318,100円
10年目4,431万円310,100円
11年目4,314万円302,000円
12年目4,196万円293,700円
13年目4,076万円285,300円
合計425万9,500円

425万9,500円。 ツールの455万円との差は、約29万円です。

ただし先に言っておくと、これも「上限をなぞった数字」です。 各年の控除額は「残高×0.7%」の制度上の上限であって、そこまで税金を払っていなければ、その手前で頭を打ちます。我が家に実際いくら戻るかは、この表では決まりません。 その話は次の節で。

(控除額は100円未満を切り捨てて計算しています)

見どころは4年目と5年目のあいだ。4年目までは残高が5,000万円を超えているので天井に当たって35万円のまま、5年目に初めて5,000万円を割って、そこからジリジリ減っていきます。計算上、割るのは返済開始から59ヶ月目でした。

そして、ここで気づいてしまったことがあります。40年ローンだから、減税をほぼ使い切れているんです。 40年で組むと元金が減りにくい=年末残高が高いままということなので。もっと短い期間なら、残高は早く落ちて控除額も早く減っていました。

……素直に喜べない話ですよね。「長く借りているから減税で得している」って、長く借りていること自体が損なわけで。13年で払う利息は約986万円、返ってくる控除は約426万円です。

ところで、変動金利なんですけど

ここまでの数字、全部「1.575%が40年続いたら」の話です。変動金利なので、続きません。

じゃあ上がったらどうなるのか。予測ではなく、ただの目安として、金利が0.5%・1.0%上がったまま最後まで行った場合を並べてみました。

月々の返済13年間の利息13年間の控除
1.575%(現在)154,515円約986万円425万9,500円
+0.5%(2.075%)168,733円約1,315万円430万7,300円
+1.0%(2.575%)183,662円約1,650万円435万1,500円

これは予測ではありません。 「上がった金利がそのまま最後まで続いたら」という仮の計算で、私たちが出したものです。実際の変動幅も、返済額の見直しルールも金融機関によって違います。

見てほしいのは、控除の列も一緒に増えているところです。

金利が上がると、控除額は増えます。 元金が減りにくくなって年末残高が高いままになるからです。……でも、増え方を見てください。+1.0%で、控除は9万円増えて、利息は664万円増えます。

戻ってくる側の数字だけ見ていると、こういうことになります。 増えているのに、まったく嬉しくない。

理由2:払っている税金以上には戻ってこない

これが一番大事かもしれません。住宅ローン減税は税金が戻ってくる制度であって、現金が振り込まれる制度ではありません。そもそも払っていない税金は、引きようがないんです。控除額が35万円でも、その年の所得税が20万円なら引けるのは20万円まで。

残りは消える……かというと、救済があります。引ききれなかったぶんは翌年度の個人住民税から引けます。 ただし上限があって、

前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円

出典:総務省|所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方

9万7,500円が天井です。

なので35万円を毎年きっちり使い切るには、所得税で25万2,500円以上払っていて、なおかつ住民税側の5%枠が9.75万円を満たしている(=課税総所得金額等が195万円以上)必要があります(この計算は上の条件から私たちが出したものです)。35万円は、けっこうな額の税金を払っている人の数字なんですね。

なので、上の425万9,500円は「税金を払いきれていれば」の理論値です。我が家の実額ではありません。 そこは各自で確認してください。税制、複雑ですね…税理士さんには頭が上がりません…

理由3:補助金75万円は、控除のもとから引かれます

前回75万円の補助金が出る話を書きました。あれ、タダでは乗りません。

住宅の取得等に関し、補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。また、控除額の計算のもとになるのは年末残高ですが、住宅の取得等の対価の額のほうが少ないときは、そちらの額が使われます

出典:国税庁 No.1211-1(要約)

つまり、年末残高家・土地の取得対価少ないほうから補助金75万円を引いて、0.7%を掛ける。

ここで効いてくるのが「取得対価」のほうです。借りた額と、家・土地の値段は、同じではありません。

我が家がローンで借りるのは、土地と建物の代金だけではありません。登記やローンの手数料といった諸費用も、付帯工事費も、まとめて借りています。 全部ひっくるめて5,500万円です。

でも「家屋と土地の取得対価」に当たるのは、その一部だけなんですよね。

諸費用は、対価ではありません。 登記やローンの手数料は、家の値段ではなく手続きのお金です。ここは落ちます。付帯工事費のほうも、外構は原則、家屋の取得対価には入らないという理解です。庭や塀は「家」ではないので。

そうやって落としていくと——5,000万円の天井と、ほぼ同じ高さまで下りてきます。どっちが低いかは、微妙なところです。

なので、ここは金額を出しません。 まだ確定していない項目がありますし、どの工事が「家屋の対価」に入るかは最終的に税務署の判断だからです。私たちが計算して断言していい部分ではありません。確定申告で実額が出たら、そのとき改めて書きます。

ただ、これだけは言っておきたいです。借入額がそのまま控除の計算に乗るわけではありません。 諸費用まで含めて目一杯借りている人ほど、ここで目減りします。

計算してみて、結局どう思ったか

正直な感想を2つ。

1つめ。計算ツールは「桁を掴む」道具でした。

455万円はそのまま受け取れない数字でしたが、引き直しても425万9,500円なので桁は合っています。「数十万円ではなく数百万円の話をしている」ことが30秒で分かるだけでも、入れてみる価値はありました。

2つめ。上限に張り付いているのは、良いことではないです。

我が家は5,500万円借りて、天井が5,000万円。500万円ぶんは制度の外です。しかも40年ローンで残高が減らないから、天井に張り付いていられる。 「限度額をフル活用!」ではなく、制度が想定している範囲を超えて、長く借りているということでもあります。返すのは私たちです。誰か代わりに払ってくれませんかね。

補助金の記事で、私たちは「もらえる額より、そのためにいくら払うかのほうが大事だった」と書きました。減税もまったく同じでした。13年で戻ってくるのが約426万円、同じ13年で払う利息が約986万円。 戻ってくる側の数字だけ見ていると気持ちよくなって終わります。私たちは一回なりました。

なので、前編のタイトルの455万円は、話半分で読んでください。 私たちも話半分で見ています。

これから建てる人へ

我が家の計算から言えることを3つだけ。(制度の側の話は前編にまとめてあります)

  1. 「払っている税金以上は戻らない」を先に確認してください。 住民税から引けるのは年9万7,500円までです
  2. 借入額ではなく「家と土地の値段」で計算されます。 諸費用まで借りている人は、その分は乗りません
  3. 返済期間が長いほど、金利が高いほど、控除は使い切りやすくなります。 ただしそれは利息を多く払っているからです。得した話ではありません

そして、これが一番言いたいことです。

計算ツールが出す数字は「最大値」です。

残高は毎年減りますし、税額の上限もありますし、補助金は引かれます。我が家は条件がかなり良い(長期優良住宅・若者夫婦世帯・40年ローン)ほうだと思いますが、それでも455万円 → 425万9,500円まで落ちました。しかもこの425万円ですら、まだ「上限」の話です。 満額に届く条件は、思ったより狭いです。


お金の話が3回も続いてしまいました。ごめんなさい!

次は今度こそ、打ち合わせ中の間取りを部屋ごとに見ていきます。楽しい回にします。お楽しみに!