【トヨタホーム】外壁タイル張りのススメ|損益分岐は物価上昇0.15%でした

外壁が決まりました。

総タイル張りです。全面タイル。LIXILのセラヴィオグラン C という外装タイルの、グレーです。

そして、お値段。

プラス300万円。

……はい。我が家のオプション、ほぼこいつ1件で終わりました。 壁紙で1,090円/㎡がどうのと悩んでいた日々は何だったのか。

でもですね。これ、二人とも即決だったんです。 揉めてません。1ミリも。

なんでかというと、タイルだからです。それ以上でも以下でもありません。今回はその「タイルだから」を、電卓で殴って数字にする回です。

標準はニューセラミックウォール。ただし10〜15年ごとに塗り替えが要る

トヨタホームの外壁で一番安い(=標準の)選択肢は、ニューセラミックウォールです。

これ自体は悪いものではありません。ただ、担当者さんから説明を受けたときに、さらっと爆弾が置かれました。

10〜15年ごとに、外壁の塗り替えが必要です。

(担当者さんの説明です。以下同じ)

塗り替え。ペンキ塗るだけでしょ? と思ったんですが、違いました。

足場を組むんです。

家の周りをぐるっと囲む、あの鉄パイプのやつです。あれを組んで、バラして、運ぶ。塗料代よりそっちが効くらしく——

相場は200万円くらいです。

何回も来ます。 家が建っている限り、15年ごとにずっとです。

タイルの強み、ただ1点:塗り替えが要らない

対してタイル。担当者さんの説明はこうでした。

タイルは塗り替えが要りません。

(トヨタホームの担当者さんの説明です)

焼き物なので、塗装のように紫外線で劣化して色が抜ける、という壊れ方をしない。だから足場も組まない、と。

ただし**「まったく何もしなくていい」ではありません。** タイルとタイルのあいだの目地や、サッシまわりのシーリングは別の話で、そこは点検が要ります。塗り替えという工程が消える、という理解でいます。

デザインがどうとか高級感がどうとかは、正直あとから付いてきた理由です。私たちが見ていたのはここだけでした。

ちなみに選んだ セラヴィオグラン C は、公式によるとこういう位置づけの製品です。

土のような温もりを洗練された質感に

LIXIL 住宅外壁タイルスペシャルサイト 2026年9月時点)

公式によると、石がモチーフのA型と土がモチーフのC型があって、我が家はC型。「ラフ面」という、湿式の土っぽい表情を乾式で再現した面状だそうです。……と、ここまで書いておいてなんですが、この説明を読んで決めたわけではありません。 決めた理由は前の節です。

ちなみに、これでもタイルの中では安いほうです

さっきから「300万円」と偉そうに書いていますが、白状します。

セラヴィオグラン C は、選べるタイルの中で下から2番目に安いやつです。

一番安いのは、同じセラヴィオグランの A。石がモチーフの、さっき出てきたほうです。そのひとつ上が我が家。

じゃあ、なぜ一番安いAにしなかったのか。

妻です。

Aは石、Cは土。「土っぽいほうが好き」という妻の要望を、そのまま通しました。

300万円のほうは二人とも即決だったのに、その中の1段だけは完全に好みで決まっています。……まあ、家づくりってそういうものですよね。

つまりこの300万円、タイルの入り口あたりの値段なんですよね。上を見ればもっとあります。

……見たら負けだと思ったので、負けました。すべて見ました。本当に素敵…

でも、セラヴィオグランの倍とかするんですよね…予算があればもっといろんなことができたのか…と思います。

というかタイルの使用例がまずとんでもなく豪邸です。いくらで建つのだろうか…

寂雅楽Ⅱ(さびうた)とかすごいですよ!採用したかった…

風化した面状と焼きものならではの落ち着いた色合いで、和風な住宅に仕上がります。

LIXIL 住宅外壁タイルスペシャルサイト・施工事例No.0138 2026年9月時点)

リンク先の施工事例、ぜひ一度見てみてください。 我が家の話が急に小さく見えてきます。

本題:300万円は、塗り替え何回ぶんなのか

ここからが今回の山場です。電卓を出します。

前提を先に置きます。

  • この300万円は、前に書いた借入5,500万円外側に乗ります。5,800万円になります
  • 300万円はニューセラミックウォールとの差額です。タイル本体の価格ではありません
  • 金利は 1.7%。公開済みの実際の適用金利は1.575%ですが、変動なので上がる前提で、上昇分を織り込んで少し高く置いています
  • 返済期間 40年
  • 塗り替えは 15年ごとに2回(15年後・30年後)で数えます

タイル側:40年で414万円

300万円を1.7%・40年・元利均等で借りると、こうなります。

金額
月々の返済に上乗せされる額8,618円
40年で払う元金300万円
40年で払う利息約114万円
40年の総支払額約414万円

月8,618円。 300万円がこの顔をして毎月やってくると思うと、意外と穏やかな数字に見えませんか。見えますよね。見えるように書いています。 40年ぶん足すと414万円です。 …とはいえざっくり月1万も上がるというのはなかなか厳しい話ではあります。

塗り替え側:物価が上がらなければ400万円

一方、ニューセラミックウォールのまま行った場合。200万円×2回で、400万円

……これ、タイルとほぼ同額なんです。金利で114万円乗ってもまだ14万円しか差がない。

ただし、これは「15年後も30年後も、塗り替えがずっと200万円のまま」という前提です。

そんなわけないですよね。

というわけで、物価が上がった場合を並べます。予測ではありません。 ただ「年◯%で上がり続けたらこうなる」というだけの計算です。

物価上昇(仮定)15年後の1回目30年後の2回目合計
年0%200万円200万円400万円
年1%232万円270万円502万円
年2%269万円362万円631万円
年3%312万円485万円797万円

年2%で631万円。年3%だと797万円です。

そして年2%というのは、特別に悲観的な数字ではありません。 ここ数年の買い物を思い出せば、むしろ控えめな気すらします。お給料もこれくらいのペースで上がってほしい…ほしくない?

損益分岐点は、物価上昇率 年0.15%

タイルの414万円と、塗り替え2回。どこで逆転するかを逆算しました。

年0.15%です。

物価が年0.15%上がるだけで、塗り替えのほうが高くつきます。0.15%。ほぼゼロです。

逆に、金利が何%になったらタイルが負けるのか

ここまでは「物価がいくら上がればタイルが勝つか」を見てきました。フェアじゃないので、逆も出します。

金利が上がって困るのはタイル側だけです。300万円を借りているのはこちらなので。じゃあ何%まで耐えられるのか。

使ったのは、さっきと同じ元利均等の式です。

月々の返済 = 300万円 × i ÷ ( 1 − (1+i)^-480 )      i = 年利 ÷ 12
40年の総支払 = 月々の返済 × 480

これが「塗り替え2回の合計」を超えた瞬間、タイルの負けです。iについてきれいには解けないので、数字を入れて詰めました。

物価上昇(仮定)塗り替え2回の合計タイルが負ける金利
年0%400万円1.51%
年1%502万円2.83%
年2%631万円4.33%
年3%797万円6.05%

まず一番上の行を見てください。1.51%。

これ、我が家にいま実際に付いている1.575%を下回っています。 つまり物価が本当に1円も上がらないなら、金利が上がるのを待つまでもなく、この瞬間もうタイルは負けています。

……負けてます。物価が0%ならね。

???:所詮時代の…敗北者じゃけえ…!!!!

でも、この行はたぶん引けません。

だって、金利は物価が上がるから上がるんです。 「金利が4%まで跳ね上がったのに、15年後の塗り替えはきっちり200万円のまま」——そんな組み合わせ、普通は起きませんよね。

なのでこの表は、横に読まずに斜めに読むのが正しいです。物価が年2%で進むなら、金利は4.33%まで耐えます。 40年ローンで4.33%というのは、かなりバブリーな上がり方です。

タイルが負けるのは、金利だけが上がって、物価だけが張り付いた場合。 そこだけです。

おまけ:住宅ローン減税は、たぶん少しだけ有利に動く

もうひとつ、地味な効果があります。

住宅ローン減税の後編で、我が家は4年目まで控除が上限(35万円)に張り付いて、5年目に年末残高が5,000万円を割ると書きました。借入が5,800万円になれば、年末残高はそのぶん高いまま推移します。上限に張り付く期間が伸びる方向です。

しかも今回の300万円は外壁=家そのものなので、後編で「落ちる」と書いた諸費用や外構と違って、「家屋の取得対価」の側も一緒に上がります。 両方が上がるので、方向としては有利です。

ただ、後編でこう書いたんですよね。

なので、ここは金額を出しません。 まだ確定していない項目がありますし、どの工事が「家屋の対価」に入るかは最終的に税務署の判断だからです。

今回も同じです。 残高と取得対価のどっちが低いかが微妙な位置にあるので、300万円ぶんがまるまる控除に乗るとは限りません。確定申告で実額が出たら、そのとき改めて書きます。

この計算、ここが粗いです

電卓を叩きましたが、ざっくり計算なので弱いところが3つあります。

  1. 将来の200万円を、今の価値に割り引いていません。 15年後・30年後に払うお金は、今払う同額より軽いはずです。厳密にやると塗り替え側が少し有利に戻ります
  2. 金利1.7%は仮置きです。 変動なので上がるかもしれないし、この想定ほど上がらないかもしれない
  3. 200万円は「我が家くらいのサイズなら」という一般的な相場です。 担当者さんから聞いた数字で、我が家の外壁を正式に見積もったものではありません

それでもタイルにしたのは、分岐点が年0.15%だったからです。ここまで低いと、前提を多少いじっても結論がひっくり返りません。

そして、ローンが終わっても塗り替えは終わらない

最後にひとつ。

この記事はずっと40年で計算してきました。ローンの期間だからです。

でも、家はローンが終わっても建っています。

塗り替え側は、45年目に3回目が来ます。 そのあと60年目にも。

タイル側は、そこで何も起きません。

私たちが300万円で買ったのは、外観でも高級感でもなくて、この「何も起きない」のほうでした。

安心とランニングコストをイニシャルコストで払うか否か、おうちによって方針が異なるとは思いますが、参考にしてみてください。


外壁まわりの記事はこれが1本目です。次は屋根と、外構のほうに手を出す予定です。